@ことしの阪神タイガースに学べ |
関西唯一のセリーグ球団。ちやほやされるレギュラークラスの選手は実力以上の人気 に甘え、あぐらをかいてきた。ことし大量補強と入れ換えで昨年までのレギュラーといえ ども安閑としていられないチーム作りをした。 大手制度品メーカーの傘の下で守られてきて、テレビCMしている商品を仕入れ、ポス ターを貼れば売上が稼げた(ちやほやされてきた)われわれだが、そうした商品の購入場 所が替わってしまった。そして、専門店の実力(能力)と信じてきた「カウンセリング」 は消費者に「高いものの押しつけ」「しつこい接客」として敬遠されている。 GMS専用のカウンセリング型高価格スキンケアが発売された。カウンセリング化粧品 のチェインドラッグへの納入も加速する様相だ。やがてメーカーにとって4番バッターは 化粧品専門店でなくなる日も遠くない。いや、もうすでにそうなのかもしれない。 |
Aユーザーの厳しい声を真摯に受け止めよう |
ポスターがべたべた貼られ、お店の中が見通せない。どんな商品、どんなサービスを しているかがわからない。外から「お店の得意技」「取扱商品」「サービスの価格」がわか るようにする必要がある。旅先で一見さんとして入る「料理屋」「寿司屋」「居酒屋」を考 えてみれば、入りやすい店とはどういうものかはおよそ想像できる。 お店の中を見回してみたらどうだろう。商品の肩にほこりはついていないか。「季節はず れ」のことばが語られていないか。商品の価格は一目でわかるようになっているか。不揃 いのけばけばしいPOPが目立っていないか。テスターはキレイか、スポンジやティッシ ュも揃えられているか。 お客様のお迎えのしかたはだいじょうぶか。目を見たあいさつと笑顔。そのあとは、じ ろじろ見ない、決してつきまとわない。声をかけるタイミングはお客様の出すサインを見 逃すな。 |
B情報収集のアンテナは錆びついていないか |
テレビ・雑誌にあふれている健康関連・美容関連の情報。消費者のもつ情報の引き出し のほうが、一日の大半を店頭で過ごすわれわれを遙かにしのいでいる。しかし、その情報 洪水の中でお客様はおぼれかかっている。それを救うのがわれわれの使命である。 情報過多という消化不良をどう治すかというのが、今、われわれに求められている技量 である。そのために必要なことは、うわついた風評や誇大に飾られた情報に惑わされない だけの正しい知識をもつことである。 |
Cおいしいサンマの違いを知っているか |
1尾100円と150円のサンマが売られている。果たしてどこに違いがあるのだろう。見 た目はまったく同じ大きさに見えるのにである。実はサンマの大きさは長さではなく、背 中でみた厚さでみるのだという。背中の厚いサンマのほうが脂のノリがあっておいしいと いう話を聞いたことがあるだろうか? 魚屋さんや漁業関係者はみんな知っているこの情 報・知識が、実は一般にはほとんど知られていない・・・もしかしたら、わたしたち化粧 品専門店が「当たり前」のように思って伝えていない情報や知識が、お客様がわれわれの お店で化粧品を購入したいと思う理由になるかもしれない。 |
D値引きに勝る商人の知恵を働かそう |
あるコンビニチェーンでのカップラーメン販促キャンペーン。1位になったのは来店客 数の多いお店でもなく、「2割引」で販売した店でもなかった。単に価格と商品名ではなく 「次回入荷は未定。この味を体験したいなら今しかない」と書かれた1枚のPOPが、「2 割引」のお店の2倍以上を売上げる原動力となったのだ。 |
E街の電器屋さんの復活に学べ |
かつてどこの街、どこの商店街にもあった「時計屋」「靴屋」が店を閉めて久しい中、流 通自由化・大型店間の競争激化の中で「電器屋」「酒屋」「米屋」の健闘ぶりが目立ってき た。 50〜60万円するプラズマディスプレイ(薄型テレビ)の販売台数の60%は「系列店」 と呼ばれる「街の電器屋さん」で売れている。電器製品の配線・修繕・設置だけでなく住 宅リフォーム・水回りについての注文などを取り次いだりと、「生活よろずご用聞き」に徹 することで、価格を見比べてあちこち歩き回ることの億劫な主として高齢者層を取り込ん だからだ。街の電器屋さんの「居間にまで上がることのできる」強みを活かしている。 われわれ化粧品専門店には、顧客の顔や名前を知っているという強みに加えて、肌の状 態や過去の購買履歴を記した「台帳」という強みがあるではないか! |
Fオンリーワンは究極のナンバーワン |
単に他の業態と違質であればオンリーワンではない。他業態との「違質化」をめざそう と専門店専用商材のウエイトを高めていったが、それらはすべてがカウンセリングを必要 とする「高付加価値ブランド」ばかり。取扱ブランドにメリハリをつけないとお店の「顔」 というものができない。今、専門店が金太郎飴化している。 近所の化粧品専門店とは違質の売り物(得意技)があるからといってもオンリーワンで はない。その「違い」=「よさ」を徹底的に磨いて、誰からも「あの店はひと味もふた味 も違う」と認められて、はじめて「オンリーワン」である。そのためには、生まれもった 個性・天性を地道な努力で、才能として開花させなくてはいけない。 |
Gあなたのお店の価値 〜ストアロイヤリティ〜は「あなた自身」で決まる |
われわれが扱っている「ブランド」は、メーカーによって作り上げられたものでしかな い。エンドユーザーに直接接するわれわれがしなくてはいけないのは、それらの「ブラン ドロイヤリティ」に、「あなた」という付加価値をつけることで、顧客満足を与えることで ある。わたしたちのほんとうの売り物は「商品」ではなく「あなた」、そして「あなたの思 い」である。それが、お客様に認められてこそ、はじめて「ストアロイヤリティ」となる。 |
Hゼロベースからの出発 |
過去の成功体験や、すでになくなってしまった温かい商環境にいつまでもひたっていて はいけない。また、今置かれている厳しい環境に対して被害者意識を持ってはいけない。 化粧品を生業とするものとして、あちらの業態、こちらの売り方とは違うものを、過去も 財産もないものとして、ゼロから組み立てていけば、おのずから「専門店」のあるべき姿 が見えてくる。 |
Iドリームズカムトゥルー |
「夢」をもつこと。その夢を「叶えたい」という強い思い。夢を「叶える」ためにする 持続的な努力。それが夢を現実のものとする。「専門店の時代」はもうすぐそこにある。 |
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